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2025年10月07日
体育館のコート設営を時短!バレー支柱やバスケゴールの準備術

■目次
体育館の授業や部活動では、コート設営や片付けに時間を取られ、本来の練習や指導が十分にできないことがあります。特にバレー支柱やバスケゴールといった大型器具は重量があり、設営時の負担や事故リスクも無視できません。
この記事では、体育館での設営をスムーズに進めるための時短テクニックや、軽量タイプ器具の選び方を解説し、授業や練習を効率的に進める方法をご紹介します。

授業開始のチャイムが鳴っても、生徒たちがすぐにスポーツを楽しめない現状があります。バレーボール支柱の設置に手間取ったり、バスケットゴールの昇降に15分以上かかったりと、準備だけで授業時間の大部分を消費してしまうことが珍しくありません。
このような状況は授業時間の圧迫を招き、生徒の運動時間や技術指導の時間を削ってしまいます。また、重い器具の運搬や設営作業により、教師の負担が増加し、安全面でのリスクも高まります。適切な準備方法を知ることで、これらの課題を解決できるのです。

体育館でのコート設営・片付けに時間がかかる主な要因には以下が挙げられます。
【一般的に考えられる原因】
用具の重量と大きさ
複雑な設置・収納の手順
非効率な収納場所と動線
バレーボール支柱やバスケットゴールといった主要な体育用具は非常に重く、一人での運搬・設置は困難です。鋼製支柱は1本30kgを超えることもあり、複数本を同時に運ぶのは難しいため、設営や片付けでは何度も往復せざるを得ません。また、バレーボールネットは支柱設置からネット張り、固定まで多工程を経る必要があり、慣れていない場合はさらに時間がかかるという課題もあります。
こうした設営や運搬作業には時間だけでなく、安全面のリスクも伴います。実際に、バレーボール支柱の運搬中に人に当たってケガをしたケースや、ネット張りの際にワイヤーが外れて顔に当たり大けがを負ったケースが報告されているのです。
このようなリスクを減らし効率を高めるには、軽量化や運搬補助具の活用といった工夫が求められます。具体的な設営・片付けの時短テクニックについては、次の章で詳しく紹介します。

種目ごとに最適化された設営方法を習得することで、大幅な時短が実現できます。以下では主要な種目別に、効率的な準備・片付けのポイントを解説します。
効率的なバレーボールコート設営には、まず支柱の材質選びが重要です。従来の鋼製支柱は1本で30kgを超え、設置には大人2人が必要でしたが、アルミ製やカーボン製なら重量が半分以下になり、生徒でも短時間で安全に運搬できます。
設置手順も時短のポイントです。床金具をあらかじめ清掃しておくとスムーズに差し込みができ、不要な力を使わずに済みます。支柱は一度まっすぐ立ててからゆっくり挿入することで、転倒防止と同時に作業効率が上がります。
ネット張りでは、高さ調整を行う際に、ギヤ昇降式を選ぶと、ピン式よりも安全にスムーズに調整が可能です。ただし、ネットにテンションを掛けた状態で昇降を行うと破損する可能性があるので止めてください。
体育館用のバスケットゴールは、設営に最も時間と労力がかかる器具の一つです。従来の手動式天井吊り下げ型では、チェーンを引っ張って昇降させるのに15分以上かかり、さらに大きな力を必要としました。
そこで有効なのが電動昇降式バスケットゴールです。スイッチひとつで操作でき、わずか180秒以内に昇降が完了します。さらに自動で停止するため、スイッチを押した後に他の準備や片付けを並行して行うことができ、従来と比べて大幅な時短が可能です。
また、電動化によって「途中でゴールが止まってしまう」「無理な力をかけて故障につながる」といったリスクも減少します。操作がシンプルな分、慣れていない生徒や教師でも安全かつ効率的に取り扱えるのも大きなメリットです。
バドミントンは、同時に複数面のコートを設営することが多く、その分だけ支柱やネットの数が増えます。支柱1本あたりの重量はバレーボール用ほどではありませんが、数が多くなることで運搬や設置に時間がかかるのが大きな課題です。
この負担を軽減するには、アルミ製の軽量支柱を導入することが有効です。従来の鋼製支柱に比べて1本あたり10kg近く軽く、生徒が主体となって設営しても短時間で安全に進められます。
設営手順としては、支柱を立て、ハンドルを取り付けた後、ネットを固定します。ネット張りの際は、スライドフックをノブボルトで固定する仕様の場合、締めすぎによる破損に注意が必要です。適度な締め付けで十分な固定力を得られます。また、移動式支柱を活用することで、場所を変えての使用や収納時の利便性も向上するでしょう。
コート設営の時短は、支柱やゴールだけでなく、その他の器具や環境整備にも大きく左右されます。たとえば、跳び箱は段数が増えると1台40~50kgに達し、体操マットの中には1枚20kgを超えるものもあり、決して軽くありません。これらを手作業で一つずつ運ぶのは大きな負担であり、準備・片付けの時間を圧迫します。
この課題を解決するのが保管台車の活用です。台車を使用すれば跳び箱やマットをまとめて移動できるため、倉庫とコートを何度も往復する必要がなくなり、短時間で効率的に準備・片付けを行えます。
ハンドボールゴールなど大型設備については、折り畳み式を選ぶことで、限られた倉庫スペースを有効活用できます。また、ワンタッチ式なら、工具不要で迅速な収納が可能です。
さらに、清掃作業も授業効率を左右するポイントです。ワイドモップなどの大型清掃具を導入することで、広い体育館フロアの清掃時間を大幅に短縮できます。これらの設備投資により、日常の維持管理業務も効率化されるのです。

日々の設営方法の改善も重要ですが、設備そのものを見直すことで根本的な時短と安全性向上を実現できるでしょう。
前述した通り、従来の重いスチール製から軽量なアルミ製支柱に変更することで、大幅な作業負担軽減が可能となります。たとえば、三和体育製販のアルミ製支柱は、特殊リブ入りパイプを採用し強度を保ちながら軽量化を実現しており、生徒だけでも安全に運搬・設置できるようになります。さらに、運搬台車を併用することで、移動時の安定性が高まり、複数本の支柱をまとめて運べるため、準備・撤収作業のさらなる効率化が可能です。
製品選定時は滑車飛び出し防止やネット巻ズリ上がり防止といった安全機能、SG基準適合などの安全基準を確認することが大切です。アルミ製は一日に何度も抜き差しする授業に最適で、設営・撤収作業の効率化を図れるのです。
体育館でのコート設営時間を短縮するには、適切な手順の習得と設備選択の両方が重要です。バレーボールやバドミントンの設営では軽量なアルミ製を選び、正しい設置手順を守ることで作業効率が向上します。バスケットゴールの電動昇降式導入により、従来の重労働を大幅に削減できるのです。
体育館のコート設営は日常的に行われる作業ですが、器具や方法を見直すことで大きな差が生まれます。安全性と効率性を両立させる工夫を積極的に取り入れ、限られた授業時間を最大限に活用できる環境を整えましょう。