三和体育製販株式会社

スポーツ用品トピックス

Topics of sporting goods

スポーツ用品トピックスTopics of sporting goods

運動会の準備はいつから?必要なものや成功・安全対策のポイントも解説   

2025年05月08日

 

 


 

 


【はじめに】

運動会の開催準備はいつから何をすべきかについて解説。準備スケジュールや必要なものリストの作成から、成功のポイント、用具点検やグラウンド・熱中症などの安全対策まで、幅広く紹介します。運動会の企画・運営担当者は必見です。

運動会を開催するにあたって、その準備をいつから始め、何を用意すればよいかなど、迷う部分も多いですよね。この記事では、運動会の準備スケジュールから必要な用具リスト、成功のポイント、安全対策までを解説します。本記事を読めば、運動会の準備の進め方がわかり、子どもたちが笑顔で楽しめる運動会を成功させるヒントも得られます。自治体が主催する地域の運動会はもちろん、学校で開催する運動会の準備にも活用できる情報が満載です。


 


運動会の準備スケジュール


運動会の準備をスムーズに進めるには、開催日から逆算して計画を立てることが重要です。一般的には、開催の約2か月前から準備を始めるのが望ましいでしょう。運動会の準備は、以下の5つのステップで進めていきます。

 1.日程や参加人数・開催地の決定

 2.競技の決定とプログラムの作成

 3.競技用具や備品・景品等の手配

 4.開催前日のリハーサル実施

 5.運動会当日

各ステップで必要な作業を洗い出し、余裕を持ったスケジュールを組むことが運動会成功の鍵となります。それでは、各ステップについて詳しく解説していきます。

 

1.日程や参加人数・開催地の決定


運動会の準備は、まず基本となる開催日時、参加人数、開催場所の決定から始まります。多くの人が参加できるよう、学校や地域の行事、参加者の繁忙期などを避け、最適な時期を選ぶことが重要です。

また、会場選びでは天候に左右されない屋内施設と、開放感が魅力の屋外グラウンド、それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、競技内容や季節、参加人数に合わせて最適な場所を選びます。

会場を決定する前に、交通アクセスを確認するとともに、実際に下見に行って広さや設備、利用可能な備品などをチェックしておくと、当日の運営が円滑に進みます。

 

2.競技の決定とプログラムの作成


日時や場所が決まったら、次は競技種目を決定してプログラムを作成します。徒競走、リレー、玉入れなどの定番競技は盛り上がりますが、参加者の年齢層や体力レベルを考慮し、誰もが安全に無理なく楽しめる種目を選ぶことも意識しましょう。

例えば、小学校で開催する運動会であれば、文部科学省の小学校学習指導要領(特別活動編)に記載されている「学校行事の意義や目的」に沿った競技を選ぶのもよいでしょう。この指導要領では、運動会を含む特別活動は、協働性や異質なものを認め合う土壌であったり、集団への所属感や連帯感を育むものであると述べられています。そうした考えに則れば、プログラムに以下の競技を盛り込むとよいでしょう。

l綱引き

この競技は、チーム全員が息を合わせて綱を引き合うことで、集団が一体となって「相手チームに勝つ」という共通の目標を達成しようとするものです。個々の力だけでなく、タイミングや協調性が勝敗を左右するため、集団としてのまとまりや協力の重要性を学ぶことができます。

l大玉送り

この競技も、大きな玉を協力して送ることから、全員の連携と協働が不可欠です。玉の扱いや進むペースを合わせるために、互いの状況を把握し、声をかけ合うなどのコミュニケーションが生まれます。これにより、他者と協働する楽しさや、集団の一員として役割を果たす意義を学ぶことができます。

lダンスや組体操

集団での表現は、一人ひとりが振付や動きを覚え、他の仲間と合わせて披露する活動です。この過程で、互いのよさや可能性を生かしながら、協力して一つの作品を創り上げていきます。また、家族や地域の方々に対する感謝の気持ちを伝える工夫を取り入れた表現を取り入れるのもよいでしょう。

なお、基本的なことですが、プログラムを作成する際は競技時間だけでなく、ルール説明や準備・片付け、参加者の移動にかかる時間も十分に考慮し、余裕を持った時間配分を心がけましょう。

 

3.競技用具や備品・景品等の手配


競技やプログラムが決まったら、必要な競技用具、備品、景品などを手配します。大玉や綱引きロープ、得点板などの用具は、購入するかレンタルするかを検討しましょう。予算はもちろん、今後の使用頻度や保管場所の有無などを考慮して判断します。

例えば、年に一度の運動会でしか使わない大型用具はレンタル、それ以外の機会でも使うものは購入するなど、うまく使い分けるとよいでしょう。

また景品は、参加者のモチベーションを高める重要な要素です。優勝チームだけでなく、MVP賞や努力賞、ユニーク賞など、複数の賞を用意すると、より多くの参加者が喜びを感じられ、運動会が盛り上がります。

 

4.開催前日のリハーサル実施


運動会の前日は、最終確認とリハーサルを行います。当日の流れをスムーズにするため、司会進行や競技のルール説明、入退場などの簡単なリハーサルを行いましょう。特に、運営を担当する幹事やスタッフ間で、当日の動きや役割分担、時間配分について具体的なイメージを共有しておくことが重要です。

実際に声を出したり、用具を準備したりするシミュレーションを行うことで、改善点や確認漏れが見つかることもあります。前日にしっかりと準備と確認を済ませておくことが、当日の成功につながり、予期せぬトラブルを防ぐことにもつながります。

 

 


運動会で必要な用具リスト


 

運動会をスムーズかつ安全に実施するには、事前の用具準備が不可欠です。競技用具はもちろん、運営に必要な本部・救護用テントやイス、テーブル、アナウンス用の音響機器、そして万が一に備えた救急箱など、多岐にわたるアイテムを揃える必要があります。

必要な用具が不足する事態を防ぐため、事前にチェックリストを作成し、プログラムと照らし合わせながら早めに準備しましょう。昨年使った用具でも、場合によっては劣化したり破損したりしているおそれもあります。必ず状態確認を行い、問題があれば忘れずに購入、レンタルの手続きを行いましょう。

 

1.共通で必要なもの


運動会の運営全体で必要となる基本的な用具や設備を以下の表にまとめました。これらは競技内容にかかわらず必要になる場合が多いため、用途も確認しながら、もれなく準備するようにしてください。

用具

用途

テント、イス・テーブル(来賓席や本部用)

本部、来賓席、救護、休憩、荷物置き場などに使用

コーン、ライン引き(コースや折り返し地点の目印用)

コース設定、区域表示、整列目印などに使用

拡声器、マイク(アナウンス用)

式典の挨拶、競技アナウンスなどに使用

測定・計測器具(距離測定や記録計測用)

タイム計測、距離測定に使用

応援グッズ(笛や小旗など)

応援を盛り上げ、会場の一体感を高めるために使用

万国旗などの装飾品

会場を飾り付け、運動会の雰囲気の演出のために使用

表彰用の景品

参加者のがんばりを称える、モチベーションを向上させる

会場施設の案内板

トイレや救護室などの場所を案内するために使用

救急箱や救護室の設置物

ケガや体調不良の応急処置に使用

 

2.競技別で必要なもの


先に説明した共通の用具や設備に加え、実施する競技ごとに必要なものもあります。競技内容が決まったら、必要なものが揃っているか、破損などがないかを確認しましょう。

運動会の代表的な競技で必要な用具について、下表にまとめました。各種目とも、参加チーム数や人数に応じて過不足なく準備することが大切です。

競技

用具

リレー

バトン、アンカータスキ、ゴールテープなど

玉入れ

紅白玉入れ台、玉入れ玉

大玉競争

大玉ボール、ポンプ

綱引き

綱引き用ロープ

障害物競走

むかで、二人三脚ベルト、障害物ネットなど

 

 


動会を成功に導くポイント


 

学校開催の運動会を「教育的価値の高いイベント」として成功させるには、運営側の考え方が鍵となります。担当者には「早く計画・準備に着手する」「役割分担などを細かく設定する」「前例を踏襲するだけでなく改善点を見つけて踏み越える」という3つの姿勢が求められます。

運動会の準備を初めて担当する場合は、安全管理を最優先し、競技ルールや指導法を十分に理解・準備した上で、参加者と丁寧なコミュニケーションを心がけることが基本です。学校開催の運動会であれば、勝敗だけにこだわらず、子どもたちの意欲や主体性、協調性を育み、努力や挑戦を認め、褒める機会を多く設けることが、成長と充実感を引き出す運営につながります。

 

1.運動会の目的を明確に示す


運動会を成功させるには、「何のために行うのか」という目的を明確にし、共有するのが成功のポイントです。体力向上、協調性の育成、クラスの団結など、運動会開催のねらいに立ち返りましょう。単に前年を踏襲するだけでなく、「この種目は、今年の運動会の目的達成に本当に効果的か?」「子どもたちの成長に、最大限寄与するか?」といった視点で見直すことが大切です。

子どもたちの成長に最も繋がる種目を選び、その意図を参加者全員、そして保護者にも丁寧に伝えて理解を得ることで、意義深い運動会を開催することができるでしょう。

 

2.積極的にコミュニケーションをとる


運動会を成功させるには、準備段階から当日まで、関係者間の積極的なコミュニケーションが不可欠です。子どもたち一人ひとりの声に耳を傾け、質問には丁寧に答えてあげましょう。練習中に不安そうな子がいたら個別に声をかけるなど、積極的に関わることで悩みや心配事を和らげ、前向きな気持ちで運動会に参加してもらえるよう心がけてください。

また、チーム内で協力や応援を促す声かけも、一体感を高める上で重要です。関係者間で情報を密に共有し、認識のずれがないように連携を図ることで、運営全体がスムーズになります。

 

3.子どもたちの自主性を大事にする


運動会を子どもたちの主体的な学びと成長の機会にするためには、彼らの自主性を尊重する運営を心がけましょう。応援の仕方のアイデア出しなど、準備段階から子どもたちが自ら考え、決定し、行動できる場面を積極的に設けることが大切です。

指導者は、すぐに答えを教えたり過度に介入したりせず、安全を見守りつつ試行錯誤を促す「見守る姿勢」が求められます。失敗も学びと捉え、自ら課題を乗り越える経験を支援しましょう。もちろん、安全やルールに関する指導は不可欠です。

また、異学年が協力する競技や応援を積極的に取り入れ、交流を促すことも、協調性や広い視野を育むうえで非常に有効です。

 

4.「叱る」より「褒めること」を増やす


子どもたちの意欲と自信を育む上で、「褒める」というコミュニケーションは非常に重要です。練習や本番において、その結果だけでなくプロセスにもきちんと目を向けましょう。一生懸命に努力する姿、友だちと協力する様子、ルールを守る態度など、目に見えにくいがんばりに対して、具体的な言葉にして褒めてあげることが、子どもたちのやる気を引き出します。

「最後まで諦めずに走ったね」「〇〇さんを応援する声、すごくよかったよ」「準備を手伝ってくれてありがとう」といった具体的な声かけは、子どもが「自分は認められている」と感じることができ、さらなる挑戦への意欲につながります。叱るよりも、肯定的なフィードバックを増やすことで、運動会全体が前向きで温かい雰囲気になります。

 


運動会を安全に開催するための注意点


 

楽しい運動会にするためには、何よりも安全管理の徹底が不可欠です。予期せぬ事故を防ぐには、事前の入念な準備と点検が鍵となります。使用する用具の安全性確認はもちろん、テントや障害物などの設置物が安全か、事前にしっかりチェックしましょう。

特にグラウンドは、ライン引き等で使われた釘や杭が残っていないか、金属探知機を使うなどして隅々まで確認することが重要です。万が一の怪我や体調不良に備え、救急箱の準備や救護室の設置、緊急連絡体制の整備など、迅速に対応できる体制を整えておくことも忘れてはなりません。

 

1.用具の点検を念入りにする


運動会で使用するすべての用具は、事前に念入りな点検が必要です。これにより、用具の不具合による事故を防ぎ、当日のスムーズな進行が可能になります。先にも触れましたが、特に長期間保管されていた用具は、劣化や破損がないか細部まで確認しましょう。

競技用具については、正しい使い方と危険性を把握し、必要に応じて事前に参加者へ説明することが重要です。また、テントが強風で飛ばされないようしっかり固定されているかを確認したり、障害物競走で使うマットが滑らないか、平均台が安定しているかなど、設置する設備についても安全確認を徹底してください。

 

2.熱中症対策を徹底する


特に日差しの強い時期や気温が高い日に運動会を開催する場合は、熱中症のリスクが高まります。参加者全員が安全に楽しめるよう、対策は万全にしましょう。給水所を設置して水分補給を促すとともに、こまめな休憩時間もプログラムに組み込むことが重要です。

本部席や救護所、休憩スペースにはテントを設置して日陰を確保します。特に体調不良者が出やすい救護スペースや熱がこもりがちな選手待機場所などには、三和体育製販で販売されているような局所的に冷風を送る「スポットクーラー」などの活用も効果的です。また、状況に応じてプログラムを変更できるよう準備をしておくと安心です。

関連記事:暑さ対策製品:暑くなる前にご準備ください!

 

3.グラウンドの安全対策を徹底する


グラウンドの安全確保は、運動会運営において最も重要なテーマの一つです。特に注意すべきは、ライン引きやベース設置のために過去に使用され、地中に残存した金属製の釘や杭です。これらが露出していると大変危険で、実際に児童が大怪我をする事故も発生しています。

例えば、20234月には、東京・杉並区の小学校の校庭で児童が転倒した際、地面から突き出ていた釘の一部で左ひざを切る大けがをしました。この釘は、過去の運動会や体育の授業での立ち位置、ハードルを置く位置などの目印として打ち込まれた可能性があるとのことです。そして、その後の杉並区の調査では、43の学校と園で1,350本の釘などが見つかったと報告されています。

また、都内では杉並区以外の小中学校の校庭からも残った釘が大量に見つかっています。こうした事態を受け、ある学校では、運動会の準備などで校庭に釘を打ち込んだ際、どの位置に埋めたのかを図に残して記録し、運動会などのイベントが終えたらその日のうちに撤去するといった対策をとっているとのことでした。

撤去の際は、目視点検に加え、金属探知機を用いた徹底的な調査を行い、もし危険物を発見した場合は完全に撤去しましょう。

グラウンドの安全確保の対策として、金属製の杭ではなく、三和体育製販で販売されている「土に還るポイント杭」のような、ゴム製マーカーや、自然に還る素材で作られた用具を利用することをおすすめします。また、利用後の確実な撤去と管理体制の確立も重要です。

関連記事:土に還るポイント杭(生分解性プラスチック製)のご紹介!

 

 


まとめ


運動会を成功させるには、計画的な準備と当日のスムーズな運営、そして何よりも安全への配慮が不可欠です。開催日から逆算したスケジュール作成、開催目的に合った種目選び、必要な用具の確実な手配と点検、そして万が一の救護体制の構築まで、事前にやるべきことは多岐にわたります。

また、子どもたちの自主性を尊重し、努力や協力を具体的に褒めるポジティブな関わり方、関係者間の円滑なコミュニケーションも成功の鍵です。これらのポイントを押さえ、参加者全員が笑顔で終われる、思い出に残る運動会を目指しましょう。